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『インディゴをさがして』原画展 特別対談
『インディゴをさがして』原画展
津田塾大学120周年記念事業の一環として、コロナ禍のために延期となっていた『インディゴをさがして』の原画展を開催しています。 人間国宝である染色家志村ふくみさんの「藍色」にインスピレーションを得て生まれた『インディゴをさがして』(クララ・クマガイ氏作)は、美しく魅力的な挿絵の作家、横須賀 香氏の挿絵と、英語英文学科早川敦子教授による翻訳で、小学館より2020年の冬に出版されました。 この絵本の出版を記念して、2021年1月には、作者のクマガイ氏と英語英文学科翻訳・通訳プログラムの学生や院生を中心に英語英文学科主催の講演会「芸術が海を渡るとき」が開催され、英語英文学科主催「第4回エッセー・コンテストJr.」の課題図書にもなりました。 会場には、絵本の原画20点を展示しています。
特別対談
11月30日(水)に津田梅子記念交流館にある岡島記念チャペルにて、『インディゴをさがして』原画展の開催を記念し、特別対談が行われました。
アーティストの横須賀香氏、作家のクララ・クマガイ氏をお招きし、小学館編集者で本学卒業生でもある喜入今日子氏が進行役を務めました。 また、英語英文学科助教の円浄先生と清水先生が通訳を担当しました。
対談では、アイルランドにルーツを持つクマガイ氏が藍色をテーマとした物語を執筆するきっかけとなった出来事や、ストーリーを構想する中で思い描いていた情景など、物語への思いについて語られました。
挿絵を担当した横須賀氏からは、物語を初めて読んだときの印象と登場人物やストーリーの場面をどのように絵に落とし込んでいったのかについて、制作時のエピソードを交えたお話を伺いました。
色をテーマにしたストーリーであったため、インディゴ色の夕焼けを描いた原画が完成するまでに何度も何度も描きなおし、横須賀氏自身が夕暮れ時にインディゴをさがしたこともあったそうです。 また、主人公のインディゴをどのように描くかについて、ヘアスタイルや身長など細部まで編集者の喜入氏と検討を重ねたそうです。
喜入氏からは、この本の制作にあたって編集者としてこだわったポイントについても語られました。 原稿を読んでカラーの挿絵をふんだんに盛り込んだ縦書きの絵本小説にするという企画を出したり、完成した本の帯のキャッチコピーを考案するなど編集者が本の制作にどのように携わっているのかを知ることができました。 一冊の絵本が完成するまでの作家、画家、編集者それぞれの思いや経験談を聞くことができる貴重な対談となりました。
『インディゴをさがして』原画展は2022年12月22日(木)まで開催しています。 横須賀氏の絵本作品やクマガイ氏の『インディゴをさがして』原文もご覧いただけます。 繊細なタッチで描かれた色とりどりの美しい原画に囲まれた会場で、ゆるやかなひとときをお過ごしください。 ご来館をお待ちしております。